契約書の作成の基本。

企業間での取引を始める際に「口約束」で、面談し信頼が置ける場合に、契約と取引が成立してしまっているケースもありますね。

順調に流れているときには何の問題もないようにみえますが、トラブルが起こって初めて「言った」「言わない」で揉める場合がありますので、どんなに親しい先でも「契約書」の取り交わしをするようにお伝えしてまいりました。ビジネスにおいて「口約束」で取引を進めることは、双方の信頼関係が一定基準に達していないという裏返しという見方もあります。

取引条件、支払サイト、万が一の対処法等を、双方で合意し書面で契約書を取り交わしておくことが必要です。

 

契約内容は、法律で定められている訳ではありません。「契約自由の原則」が約束されています。

契約を当事者の自由にまかせ、国家はこれに干渉してはならないとする近代法の原則(私的自治の原則)の重要なひとつです。

その内容は通常、契約をする自由としない自由、契約の相手方選択の自由、契約内容決定の自由、方式の自由、契約変更ないし解消の自由の5つに分けられます。

(ブリタニカ国際大百科事典より)

内容は、他の法律に触れるものでない限り、双方の合意により自由に決めることができます。

 

契約書作成のルールについて、ご案内していきます。

 

①契約書は何部必要か?。

契約書の部数は、契約する企業(事業主)分、用意します。

2社間であれば2部、3社間であれば3部用意し、それぞれ、署名・サイン・押印した同じ内容の契約書を各社が保管するようになります。

 

②押印する印鑑の種類は?。

企業間での取引の場合は、「法人登記印」を押印する方法が一般的です。

個人事業主様の場合は、「屋号〇〇〇 代表△△△△」としたうえで、代表者の個人印を押印する方法が一般的です。

 

③押印する箇所はどこか?。

契約書の内容を確認したうえで、末尾に、署名捺印欄が設けられている場合が一般的です。

袋とじ製本がなされている場合には、製本テープの綴じ代にまたがって「契印(割り印)」を押印しましょう。

ホチキス留めの場合には、全ページの見開き部分に「契印(割り印)」を押印しましょう。

 

④契約書への印紙

契約書のうち、印紙税法で印紙を貼らなければならないとされている契約書があります。

業務委託契約書・請負契約書等、ほとんどの契約書が印紙を貼る必要があるでしょう。

印紙が必要な契約書の種類と貼付する印紙の額面が、国税庁のホームページに記載されていますのでご参考ください。

印紙税額一覧表の第7号文書の「継続的取引の基本となる契約書」とは、特定の相手方との間において継続的に生じる取引の基本となる契約書をいい、税率は1通につき4,000円です。
ただし、その契約書に記載された契約期間が3ヶ月以内であり、かつ更新の定めのないものは除かれます。

貼付された印紙には、再使用を防ぐために消し印をします。

 

⑤印紙代金は、どちらが支払うのか?。

印紙は、通常、双方がそれぞれ自分で保管する契約書に貼ることが通例です。契約書作成の場では印紙を貼らずに、それぞれ持ち帰った契約書に印紙を貼るというケースが多いですね。

印紙を貼らなくていい!というわけではございません。

税務調査が入ったときに問題になります。相手方に税務調査が入って、印紙を貼っていなかったがために、こちらの会社にも税務調査が入ることもあり得るのです。印紙は契約の都度、忘れずに貼付し消印しておきましょう。

 

(まとめ)

取引基本契約書:継続的取引が発生する際のもの

業務委託契約書:外注する際に交わすもの

業務提携契約書:業務提携をむすぶ際のもの

秘密保持契約書:第三者に対して情報漏洩を禁じるもの

売買契約書:年契約で支払を約束する際のもの

 

 

ひな形にとらわれずに、自社の利益を確保するための契約書です。内容を決める際に「万が一の場合には誠意を持った話し合い」で解決するのではなく、書面をもって約する内容で作成しましょう。

弊社では、全国の士業事務所様と提携があります。内容のリーガルチェックや、アドバイス等もさせていただいております。お気軽にご相談ください。

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